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鴨川が好きで、近くで暮らせたら、と京都に行く度に思う。

お茶とちょっとのお菓子を持って、川べりに座ってぼけっとするのも気持ちが良いし、

散歩に来ている人がめいめいに楽しんでいる距離感も良い。


いつも、たおやかな空気が流れてる。

夜には、ごうごうと流れる川の音を聞きながら、

対岸の建物から洩れ出る光と

その奥でチラチラと動く影に魅せられる。


はなし声がざわめきになって、感じるこの距離感がとても心地良い。

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嬉しい事に、『Hanako』の撮影で鴨川沿いにある町家に泊まらせていただいたのです。

今回、延泊をして、少し長めに関西滞在。

『SAVVY』の連載で、桂二葉ちゃんの落語の会を見に行ったりもしたのでした。

歩き回るには十分な余白の時間がたくさんあったし、

毎晩、誰かと飲んで、たくさん話をした。

いつもに増して、濃かった。

誌面では紹介しきれなかったものをブログで書いていこうと思います。

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泊まったのは、暮らすように旅をするをコンセプトに、

古い町家の美しさはそのままに快適に暮らしやすく手を加えられた庵町家ステイ

清水五条や五条駅周辺にいくつも町屋を貸し出しているそう。

日本家屋で川沿いならば、寒いのかと思って覚悟して来たのだけれど杞憂でした。
床暖房や暖房器具がはいっていてとても快適でした。


部屋数も多くて一階と二階にお風呂トイレもあって。
三家族くらいで一緒に泊まったりしても楽しそう。

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今回ご一緒したのは、

カメラマンの藤代冥砂さんと、編集の横山佐知さん。

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そして川に面した、檜のお風呂。

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窓から、すこんと抜ける空が気持ち良い。

滞在中は、お天気雨にもでくわした。

狐の嫁入り。

声をだすと、近くでしゃなりしゃなりと続く狐の行列が台無しになってしまう気がして息を潜めて。

鴨川にきらきらと光りながら降る雨を、部屋の中からただただ、見ていた。とても記憶に残った時間。

ベランダに出ると、風がまた気持ちよい。

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ここでとっぷりと、京都の時間にひたりきるとします。

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宿でのおこもりのおともに、宿泊先から歩いていける錦市場で買い出しを。

いつもは指をくわえて通り過ぎるだけのお惣菜をここぞと買い込む。

良いものを見つけた。桜の塩漬け。

いつだったか、桜の塩漬けのお湯割りを出してくれた人がいた。

10年前くらいの熟成されたもので、自分で摘んだものを保存して少しづつ楽しんでいるという。

まるみがあって、とてもおいしかった。

ああとまではいかないけれど、春になると真似したくなる。

桜の塩漬けはおいなりさんに入れたり、

お蕎麦のつゆとして白だしと桜の塩漬けを水で割ってもおいしい。

ほんのりと香る桜が春らしくて良い。

<漬物井上>では豆を塩で炊いたのやら、お惣菜をたくさん。

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練り物屋さんの<丸亀>で見つけた"ぎんなんのはんぺい"。

はんぺんはミッフィーの作者ディック・ブルーナの描く花そっくり。

ひとくちサイズで、おいしくて、市場で一番の嬉しいみつけもの。

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あああ、かわいい。

もし時間が許すなら、紫竹エリアまで足を伸ばして<ミート&デリカワキタ>まで是非是非、行ってほしい。

中心地からバスで30分くらい。

一見すると普通のお肉屋さんなのですが、

奥の冷蔵ケースにあるソーセージなどのシャルキュトリが絶品なのです。

タイム・セージ・マジョラムとレモン汁を使った"オックスフォードソーセージ"や、

豚肉、胡椒、ナツメグ、オールスパイスを使った"トゥールーズ"。

豚肉、胡椒、フェンネルとニンニクを使った"サルシッシャ"は南イタリア、地中海地方のソーセージ。

"モンベリアール"粗びきタイプ。ヒッコリーでじっくりと燻したソーセージ。

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魔法使いのようなスパイスの配合。

パテやテリーヌも極上においしかったです。

笑顔が素敵な店主の川北さん。

ヨーロッパで絵の勉強をしていた時に出会ったソーセージなどに魅了されて帰国後

研究を重ね、今の形になったそう。

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聞けば、店内にある絵は若い頃に手がけた作品なんだそう。

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「ローストビーフもおいしいんだよ」と、京都に住む人に、のちに教えてもらった。

くうう。おいしそうと思ったのよね。悔しい。次また行くとする。

家用にテリーヌを買った。IMG_2183.JPG

近くには、<スターダスト>や、草木のお店<みたて>など気になるお店が。

雑誌の紙面で見かけていた<サーカスコーヒー>も紫竹にありました。

豆のストーリーを大切にする自家焙煎珈琲豆のお店。

家用に買った豆で挽いたコーヒー、おいしかったです。

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お土産用にかわいいドリップパックは、賀茂川ブレンド(マイルドタイプ)と紫竹ブレンド(コクタイプ)。

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お酒を探していて思ったのは、

河原町近辺なら、高島屋地下のお酒売り場が充実していて使いやすい事。

ビオワインなら<エーデルヴァイン>。

スーパー<八百一(やおいち)>が便利そう。もし行ったなら、屋上庭園も覗いてみて欲しい。

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散歩していて、初めて知ったこと。

古い町屋のあの格子の種類は、職業によって様々だったらしい。


紙を扱う職業ならば、刺しこむ光があまり多くないように格子を多くして調光していたり。

糸屋格子の中でも、織屋は4本切子、糸・紐屋は3本切子、呉服屋は2本の切子、といった具合で、見分けられるそうな。


おもしろい。

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そして、横山さんおすすめの齋(いつき) 造酢店のポン酢。

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今回は暖簾の意匠に夢中。


お店独自の紋様が粋なのでした。

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Illustration by Kumiko Emoto / Design by Moskitoo